悪役サフィンの隠れ家はケン・アダム『007は二度死ぬ』へのオマージュ【デザインのヒントは安藤忠雄氏】

悪役サフィンの隠れ家はケン・アダム『007は二度死ぬ』へのオマージュ【デザインのヒントは安藤忠雄氏】

 

キャリー・ジョージ・フクナガ監督が原作小説「007は二度死ぬ」から最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のために多くのことを学びましたとslashfilmのインタビューで語りました。また、最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のスタッフが過去のボンド映画へのオマージュについてもインタビューで答えています。

 

原作小説「007は二度死ぬ」から多くを学ぶ

プロデューサーのバーバラ・ブロッコリが最初に読ませてくれた本のひとつが、イアン・フレミングの原作小説「007は二度死ぬ」だった。その物語から多くのことを学び最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に生かされているとslashfilmのインタビューでフクナガ監督は語っています。また、フレミングの短編小説「For Your Eyes Only(読後焼却すべし)」の殺された両親の敵討ちをする娘の話なども最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で引用されているそうです。

 

MEMO

原作小説「007は二度死ぬ」あらすじ

原作小説ではスペクターとの対決を描くスペクター3部作のうちの1冊。原作小説「女王陛下の007」で妻のトレーシーをブロフェルドに殺害されて、ショックから立ち直れず、任務を連続してミスするボンドにMは解決不可能な任務を与える。極東の日本まで暗号解読機を受け取りに行かせる。日本の秘密情報機関のタイガー田中から交換条件として不可解な事件の解決を依頼されるが、その事件に関わっていたのは、ボンドの宿敵ブロフェルドであった。事件解決後、ボンドは記憶喪失になってしまうが(英国秘密情報部ではボンドは事件の捜査中に死亡と発表される)、日本女性のキッシー鈴木に助けられる。キッシー鈴木はボンドの子供を妊娠するがボンドにそのことを話すか迷う。ある日、ボンドは古い新聞に書かれていたウラジオストクという言葉が気になり、記憶喪失回復の手がかりになるのではないかとひとりボンドはウラジオストクへと旅立つ。

 

 

映画シリーズ第5作『007は二度死ぬ』では原作小説の内容が映画向きではないということで全く違うストーリーに変更されました。

『007は二度死ぬ』のあらすじとキャスト『007は二度死ぬ』のあらすじとキャストは?

 

 

悪役サフィンの隠れ家は過去のボンド映画へのオマージュ

 

最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のプロダクション・デザイナーのマーク・ティルデスリーは、varietyのインタビューで悪役サフィンの隠れ家は、「007」シリーズの第1作『007/ドクター・ノオ』や第5作『007は二度死ぬ』に登場するドクター・ノオやスペクターの秘密基地をデザインしたプロダクション・デザイナーのケン・アダムの作品を参考にしたオマージュであると語りました。

 

MEMO

ケン・アダム

Sir Ken Adam,OBE

1921年2月5日ー2016年3月10日 95歳没

ドイツ・ベルリン生まれ

イギリスのプロダクション・デザイナー(美術監督)

「007」シリーズ初期の秘密情報部MI6の本部、悪役のアジトや研究室、乗り物などの美術監督を担当。優美な曲線美と斬新なデザイン、秘密基地など壮大なスケールのセットなどで「007」の映画の世界と創り上げる。『007は二度死ぬ』での火山のなかに作られたロケットの秘密基地や『007/私を愛したスパイ』の潜水艦を収容するタンカーの内部セットは特に有名。

 

【「007」シリーズで担当した作品】

1.『007/ドクター・ノオ』(1962)

2.『007/ゴールドフィンガー』(1964)

3.『007/サンダーボール作戦』(1965)

4.『007は二度死ぬ』(1967)

5.『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971)

6.『007/私を愛したスパイ』(1977)

7.『007/ムーンレイカー』(1979)

 

 

 

第1作『007/ドクター・ノオ』の大きな円形の窓などのモチーフを使ったドクター・ノオの隠れ家の一部屋

悪役サフィンの隠れ家はケン・アダム『007は二度死ぬ』へのオマージュ【デザインのヒントは安藤忠雄氏】

出典:https://blenderartists.org/t/dr-no-tarantula-room-ken-adam-design-blender-eevee/1211152

 

第5作『007は二度死ぬ』の火口内にあるスペクターの秘密基地

出典:https://www2.bfi.org.uk/news-opinion/sight-sound-magazine/comment/obituaries/designing-dreams-nightmares-ken-adam-his-finest

 

最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、建物のスケール感を出して、大ホールに入ったときのような荘厳なセットにしたかった。工業的なブルータリズム(1950年代に見られるようになった建築様式)のコンクリート打ちっぱなしの世界を表現したかった。

 

Total Filmの記事の中では、最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のプロダクション・デザイナーのマーク・ティルデスリーは、悪役サフィンの隠れ家のデザインについて、どこからインスピレーションを得たかを説明しています。彼は日本の建築家でありアーティストである安藤忠雄氏から多くのことを参考にしたと語りました。

 

MEMO

安藤忠雄(あんどう ただお)

1941年(昭和16年)9月13日生まれ 80歳

大阪府出身

建築家。東京大学特別栄誉教授。

参考 安藤忠雄建築研究所安藤忠雄公式サイト

 

 

悪役サフィンの隠れ家のデザインを参考にした建築は瀬戸内海の離島・直島(香川県)にある「地中美術館」だそうです。

フクナガ監督も、本作に取り組み1年前にこの場所を訪れたと「シネマトゥデイ」のインタビューで答えています。

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隠れ家のデザインの参考となった離島・直島(香川県)にある「地中美術館」の公式サイトはコチラ

参考 地中美術館地中美術館公式サイト

 

 

プロダクション・デザイナーのマーク・ティルデスリーは、東京での撮影も候補に上がったが実現しなかったと語っています。

 

 

”東京”も最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のロケ地候補だった

最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のロケーションマネージャーであるチャーリー・ヘインズは、「シネマトゥデイ」のインタビューで企画の初期段階で東京がロケ地候補だったと語りました。しばらくの間、東京はロケ地候補として話し合われたが脚本が違う方向に進み東京で撮影される話はなくなったそうです。

 

 

 

最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で日本の畳が112枚使用される

最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の西日暮里の森田畳店の畳が112枚使用されました。

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映画ナタリーの記者から取材を受けた森田畳店の森田隆志氏は、最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の美術担当から注文のメールをもらったが、「007」の意味が最初はわからずどこから来たメールか不審に思っていたそうですが、映画「007」の美術担当からだと気が付き大変驚いたそうです。

森田畳店は、実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」など海外の映画作品で畳が使われるシーンで注文を受けていたこともあるそうです。障子の注文もあったそうですが、日本で障子を作ると高額になるため以前から取引のあるイギリスの業者さんに頼み畳112枚だけ、そのイギリスの業者さんと通して「007」の製作スタジオに納品したそうです。

 

 

これだけ日本の要素があったとは、ダニエル・クレイグの最後のメッセージがよくわかりました。フクナガ監督がバーチャルイベントで日本のことを話すとネタバレになるからというのも今になってやっとわかりました。

こちらこそ、本当にありがとう!

 

 

記事作成日:2021/10/13

最終更新日:2021/10/19

 

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