映画『007/ゴールデンアイ』のあらすじとキャストは?

『007/ゴールデンアイ』のあらすじとキャスト

 

「007」映画シリーズ第17作『007/ゴールデンアイ』のあらすじとキャストなどを徹底解説!

 

映画『007/ゴールデンアイ』の解説・見どころ

「007」映画シリーズ第17作。5代目ジェームズ・ボンド役にスマート&ユーモアあふれるピアース・ブロスナンを起用、彼の主演第1作目。

1990年代に入り”冷戦”も終結し、「スパイ」という言葉自体が死語となりつつある現代にどうスパイを活躍させるのかリアリティとフィクションのバランスが申し分なく構成されたシリーズの転換期の作品。

主役のピアース・ブロスナンだけでなく、製作者のアルバート・R・ブロッコリが去り、娘のバーバラ・ブロッコリが製作者として参加するなどほとんどのスタッフ、キャストが一新された意欲作。

旧ソ連で展開されるオープニング、ペテルブルグ市街での戦車チェイスのド迫力、クライマックスのスペクタクルなどのアクションシーンなど見どころ満載。

女優陣は、色情狂めいた野性味あふれる女殺し屋ファムケ・ヤンセンの悪女っぷりが強烈な印象を残す。ボンドの上司Mが、女性のジュディ・デンチに交代となる。

 

 

映画『007/ゴールデンアイ』のあらすじ

映画『007/ゴールデンアイ』予告編

映画『007/ゴールデンアイ』のあらすじ

ロシア アルハンゲリスク

1986年:米ソ冷戦時代

英国秘密情報部員ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)は巨大なダムの底にあるソ連の科学兵器(神経ガス)工場に同じ00エージェントで友人でもある006アレック・トレビアン(ショーン・ビーン)とともに潜入することに成功。

アレック「ジェームズ、祖国のためか」

ボンド「そうだ、アレック」

化学物質の入った容器で満たされた大きな倉庫を発見したボンドとアレックは、施設爆破のミッションを遂行する。ふたりが時限爆弾を設置している最中に施設への潜入が発覚。アレックが施設の責任者ウルモフ大佐(ゴットフリード・ジョン)に捕まってしまう。

アレックはボンドに「仕事を終わらせろ」と叫び、ボンドは時限爆弾のタイマーを6分から3分にリセットする。ウルモフ大佐はボンドに降伏するように10秒間カウントする。アレックがボンドに「祖国のためだ」と叫ぶとウルモフ大佐はアレックを射殺した。

ボンドは化学物質を積んだカゴをたてにしてベルトコンベアまでゆっくり歩いていく。ベルトコンベアまでたどり着くとボンドは銃を連射。化学物質が入った容器を置いた棚の鍵を撃ち抜き、ウルモフ大佐らの頭上に散乱するすきに動き出したベルトコンベアで一気に施設の外に飛び出す。

ボンドは、施設から飛び立とうするセスナ機に飛び乗りパイロットと格闘になる。ボンドはパイロットとともにセスナ機から飛び出してしまう。ボンドを追いかけてきたウルモフ大佐の部下が乗るバイクを奪い、ボンドはセスナ機の後を追う。しかし、セスナ機は崖から墜落してしまう。セスナ機を追ってボンドもバイクに乗ったまま崖から飛び落ちる。落下していくセスナ機にボンドはなんとかたどり着き、急ぎ操縦桿を握る。地上に墜落する瞬間にセスナ機は浮上し、施設は時限爆弾が爆発、炎上しミッションを達成した。

 

モナコ

9年後。ソ連は崩壊し冷戦は終結していた。

ボンドは、MI6から派遣された女性精神科医のキャロライン(セレナ・ゴードン)を助手席に乗せて能力査定を受けるためにモナコ郊外の山中をアストンマーティンDB5でドライブしていた。キャロラインは、ボンドがスピードを出して車を運転するのに驚いていると美しい女性が運転する赤いフェラーリが後を追いかけてくる。

ボンドは嬉しそうに赤いフェラーリとのカーチェイスを楽しみ始める。猛スピードで走る車に恐怖を感じたキャロラインはボンドに車を停めるように叫ぶ。赤いフェラーリとのカーチェイスを楽しんでいたボンドは車を急停止し隠してあったボランジェのシャンパンをキャロラインに見せる。

ボンド「能力、徹底的に調べて」

車のなかでキスするふたり。

 

その夜、モナコのカジノを訪れるボンド。ボンドは駐車場で昼間見かけた赤いフェラーリを見つける。ボンドは赤いフェラーリを運転していた女性がバカラのゲームをしているのを見かけゲームに参加する。

彼女はバカラのゲームに連勝していたが、ボンドに負けたことで席を立つ。ボンドも席をたち、ボンドが彼女のフェラーリが盗難車であることにそれとなく指摘する。お互い挨拶を交わし、彼女は、ゼニア・ザラゲブナ・オナトップという名だと知る。ゼニア・オナトップ(ファムケ・ヤンセン)は連れの海軍提督を連れてカジノを後にする。

オナトップのことを不審に思い、ボンドは彼女の写真と提督とオナトップが滞在しているヨット(マンティコア号)の情報をMI6に送信する。ミス・マネーペニー(サマンサ・ボンド)の報告では、オナトップは元ソ連の戦闘機パイロットで現在はサンクトペテルブルクを拠点とする犯罪組織「ヤヌス」の一員だと判明。ヨット(マンティコア号)はヤヌスのダミー会社にリース中だと知らされる。Mより引き続きオナトップの監視を許可されるが、指示があるまでオナトップとの接触は禁止される。

ミス・マネーペニー「オナトップなんて女にちょっかいだしちゃだめよ」

提督はオナトップと一夜をともにするが彼女に胸を太ももで締め付けられて殺される。

 

翌朝、ヨットに忍び込んだボンドは、クローゼットに隠された提督の死体を発見する。

オナトップはフリゲート艦に潜入し、対電磁波装甲を施したフランス海軍が誇るNATOの最新鋭戦闘ヘリコプター「タイガー」のデモンストレーション飛行を行うパイロットを二人殺害する。オナトップと副操縦士は、最新鋭戦闘ヘリコプター「タイガー」のデモンストレーション飛行が行われている最中にフリゲート艦からヘリを奪取することに成功する。ボンドはオナトップらによる最新鋭戦闘ヘリコプター「タイガー」の奪取を阻止しようとするが警備に捕まり何も出来ず飛び去るヘリコプターを見つめるしかなかった。

 

ロシア セヴェルナヤ

北極圏にあるロシア、セヴェルナヤの宇宙兵器管理センターでは、ナターリア・シミョノヴァ(イザベラ・スコルプコ)はいつものようにプログラミングの仕事をしていたが、同僚のボリス・グリシェンコ(アラン・カミング)は、「自分は天才だ」と称してFBIのサイトに不正アクセスしていた。ナターリアはコーヒーを飲みにパントリーへ行き、ボリスはタバコを吸いに施設を出た。

突如、戦闘ヘリコプター「タイガー」がセヴェルナヤの宇宙兵器管理センターに到着する。ヘリコプターから降りてきたのはオナトップとウルモフ将軍(宇宙局長官)だった。

ふたりが訪れた宇宙兵器管理センターには、ソ連時代の秘密兵器”ゴールデンアイ”が設置されていた。ウルモフ将軍は、抜き打ち検査と称して司令官に”ゴールデンアイ”の制御プログラム・ディスクと起動キーを渡すように命令するが、その間にオナトップは管理センターで働く人々に銃を向けて乱射し殺害する。彼らは、証拠を消すために宇宙空間に存在する2台の”ゴールデンアイ”のうちの1台を基地に向けて照射し宇宙兵器管理センターごと破壊しようと計画していた。冷戦当時、米ソは極秘裏に地上のあらゆる電子機器の性能を電磁パルス(EMP)で不能にできる軍事兵器を開発していた、その引き金となるのが”ゴールデンアイ”だった。ふたりは、”ゴールデンアイ”を起動させて標的はセヴェルナヤにセットする。

その時、パントリーで物音を聞いたオナトップが様子を見に行く。その途中でまだ息のある技術者が警報装置のスイッチを押すが、オナトップに射殺される。オナトップはパントリーを調べて、換気扇の格子が外れているのに気が付き、換気扇の格子を撃ち抜く。ウルモフ将軍は、空軍が到着するまえにオナトップとともに「タイガー」ヘリに乗って宇宙兵器管理センターを脱出。軍の戦闘機3機が管理センターに到着するが、”ゴールデンアイ”の攻撃を受けた管理センター内の電子機器が爆破、その爆破の影響で2機の戦闘機も爆発してしまう。残った1機は、管理センターに追突し施設のレーダーアンテナが崩壊する。ナターリアは頭上から落ちてきたレーダーアンテナによって出来たすき間から脱出に成功する。ナターリアは、同僚のボリスを探し始める。

 

ロンドン

MI6本部の作戦室でボンドとタナー(マイケル・キッチン)は先日、強奪された「タイガー」ヘリを発見したとボンドに報告する。また、セヴェルナヤでの事故の様子を通信衛星から送られる映像を通じて見ていた。スクリーン上で生存者が確認されたことからボンドは新しい上司M(ジュディ・デンチ)に”ゴールデンアイ”と犯罪組織「ヤヌス」の手がかりを求めてサンクトペテルブルクへと向かうよう指示される。

M「ボンド、生きて帰ってきてね」

 

サンクトペテルブルク

ウルモフ将軍はデミトリ・ミシュキン(チェッキー・カリョ)国防大臣を議長とするロシア国防評議会で、セヴェルナヤに関する聴聞会が開かれ出席する。ウルモフ将軍は調査の結果、シベリア分離主義者による攻撃であると推測し生存者は1名と報告し、辞任を表明して評議会を驚かせる。しかし、ミシュキンは彼を叱責し、セヴェルナヤの事件での生存者は2名(1名は行方不明)だと伝える。ウルモフ将軍はナターリアが生き残っていたことは知らなかった。

 

Qの研究室

ボンドはQ(デズモンド・ルウェリン)の研究室で新たな装備品(ケーブルが射出するベルト、3回ノックすると手榴弾になるボールペン、BMW Z3)の説明を受ける。

 

サンクトペテルブルク

ボンドは、CIAエージェントのジャック・ウェイド(ジョー・ドン・ベイカー)からの情報だとロシアの元KGBで大物武器商人・ヴァレンティン・ズコフスキー以外、犯罪組織「ヤヌス」について知っている人物はいないと教えられる。ウェイドはズコフスキーの隠れ家へボンドを案内する。

ズコフスキー(ロビー・コルトレーン)は以前、ボンドに左足を撃たれていまだにその時の傷が痛むと愚痴を言う。ボンドは、賄賂とミサイルなどの武器を交換条件に犯罪組織「ヤヌス」と出会う交渉を依頼する。ズコフスキーが知っている情報では、「ヤヌス」のリーダーの両親は第二次大戦中にナチスに協力したリエンツ・コサック出身で、戦後イギリスに裏切られてコサックはソ連に送還されスターリンの命令で全員処刑された。

 

ナターリアは、街のパソコンショップのパソコンを借りてボリスに電子メールを送る。お互いに生存を確認し、1時間後にスモレンスクの教会で会う約束をする。1時間後、ナターリアはボリスと出会うが、ひそかに現れたオナトップに捕まってしまう。

ボンドは、宿泊しているグランドホテルのプールにいるとオナトップが現れる。オナトップと格闘になり両足で羽交い締めにされながらも彼女に「ヤヌス」のリーダーのところへ連れて行くよう命じる。

 

オナトップはボンドを古いロシアの政治家の銅像公園に連れて行き、そして、そこに現れたのは驚くべきことに9年前にウルモフ大佐に殺されたと思っていた元006のアレック・トレヴェルヤンだった。ソ連の科学兵器(神経ガス)工場での爆発によって顔の右側に火傷の痕があった。アレック・トレヴェルヤンが犯罪組織「ヤヌス」の首領だった。アレックは、ローマ神話の2つの顔を持つ神にちなんで「ヤヌス」と名乗っていた。リエンツ・コサックの血を引くアレックはMI6で二重スパイをしながら、彼らの民族を裏切ったイギリスへの復讐の機会をうかがっていたとボンドに告白する。ボンドはアレックを撃とうするが反対に麻酔銃を撃たれて意識を失ってしまう。

ボンドは、後部座席で縛られているナターリアの叫び声で目が覚める。ボンドはナターリアと同じようにもう用済みになった「タイガー」ヘリの操縦席に縛り付けられていた。

ボンド「手が離せない、冗談だけど」

アレックは、捕まえたボンドとナターリアを用済みになった「タイガー」ヘリに閉じ込めてヘリのミサイルでふたりをヘリごと爆破しようとしたが、間一髪、ふたりは脱出することに成功する。助かったふたりだったがロシア軍に逮捕され、ふたりはサンクトペテルブルクの収容所に連行されてしまう。

ボンドは尋問が始まるまでに自分は英国秘密情報部の情報部員で味方だとナターリアに話す。そして、今回の事件で知っていることを話して欲しいとナターリアに頼むが、彼女はウルモフ将軍が”ゴールデンアイ”の制御プログラム・ディスクと起動キーを盗み出したこと、ボリスがウルモフ将軍に協力していたこと以外は知らないとボンドに話した。

デミトリ・ミシュキン国防大臣が部屋に入ってきて、ボンドをテロ行為により処刑すると宣告するが、ボンドは反逆行為があったと説明する。ボンドとミシュキンがお互い言い合う内にナターリアはウルモフ将軍が”ゴールデンアイ”を盗み出したこと、”ゴールデンアイ”がもう1機あることを説明する。

突然部屋に飛び込んできたウルモフ将軍は、ミシュキンが自分の捜査を妨害していると抗議する。ボンドのワルサーPPKを取り上げて、ミシュキンと警備員を射殺。ボンドには、国防大臣を射殺して逃走中に殺害されると筋立てを説明するが、ボンドの反撃に遭う。ボンドとナターリアは資料室に逃げ込み、ボンドはウルモフ将軍の部下らと銃撃戦になる。逃げる途中で資料室の床が抜けてナターリアは落下してウルモフ将軍に捕まってしまう。

ボンドは資料室から外へ逃げ出す。しかし、ナターリアはウルモフ将軍に無理やり車に乗せられて走り去った。ナターリアを救うべくボンドは、サンクトペテルブルク市内を戦車で追跡する。

ウルモフ将軍を追跡している最中にボンドはついに彼らを鉄道操車場まで追跡し、犯罪組織「ヤヌス」が拠点として使っているロシア製の黒い大型の装甲列車を発見する。ウルモフ将軍はナターリアを連れて列車に乗り込み、アレックに報告する。

ボンドはトンネルの前で装甲列車を待ち受ける。装甲列車はトンネル前の戦車を見つけるが列車を停めることなくトンネルへ向かう。ボンドは装甲列車に戦車から砲弾を発射する。装甲列車に命中するがそのまま装甲列車はボンドの戦車に突っ込む。爆発する戦車に装甲列車は突っ込みながら停車した。ボンドは、ナターリア救出のために装甲列車に乗り込む。

装甲列車のなかでボンドはアレック、オナトップと対峙する。アレックはウルモフ将軍にナターリアを連れてくるよう指示する。アレックはボンドに「任務か、女か」と迫るが、

ボンド「殺せ。赤の他人だ」

と冷たく言い放ち、ナターリアに銃を向けるウルモフ将軍を射殺する。

素早く、アレックとオナトップを銃撃するがふたりは車両から逃げ出して、隠してあったヘリコプターで装甲列車から脱出。アレックは遠隔操作で車両をロックしふたりを閉じ込める。列車内に閉じ込められて、アレックから6分で装甲列車は爆発すると知らされる。ボンドは6分ではなく3分で爆発するとナターリアに知らせる。

ナターリア「突っ立てないでなんとかしなさい」

ボンド「イエス、サー」

ナターリアは車両内にあるパソコンでアレックらがどこへ向かったのか調べ始める。ボンドがボリスの謎のパスワード(椅子)を解いたおかげでボリスのデータにハッキングし犯罪組織「ヤヌス」の隠れ家がキューバのバハマに存在することを突き止める。ボンドは腕時計のレーザーで車両の床に穴を開けて爆破寸前で脱出に成功する。

ナターリア「乗り物を破壊するのが趣味なの」

ボンド「諜報活動の基本さ」

ふたりでアレックの後を追いキューバに向かうことになる。

ナターリア「諜報活動の基本は他になにがあるの、中佐」

ボンド「いろいろあるが役に立つのは・・・、リップ・サービス」

口づけを交わすふたり。

 

キューバ バハマ

ボンドとナターリアはバハマへ飛び、CIAのエージェンシーのジャック・ウェイドと待ち合わせをしてボンドはウェイドが麻薬捜査局から借りたセスナ機で犯罪組織「ヤヌス」の隠れ家と探そうとする。ボンドはウェイドがQから預かってきた遠隔起爆装置を受け取る。

翌日、ボンドとナターリアは、”ゴールデンアイ”を起動するにはセヴェルナヤと同規模のパラボラアンテナが必要なことから、セスナ機で上空から探すが見つけることは出来なかった。一見のどかな湖の上を飛行していると、突如湖からミサイルが発射されてボンドが操縦するセスナ機の翼に命中し、セスナ機は地上に不時着、爆発してしまう。ボンドとナターリアは助かるが意識を失う。

ボンドは頭上を飛ぶヘリコプターのプロペラの音で目を覚ますと、そこからオナトップが懸垂下降してボンドに襲いかかります。彼女は太ももでボンドを圧迫して殺そうとするが、ボンドはヘリコプターから伸びた拘束具を彼女の防護服に固定しヘリコプターを銃撃する。墜落しそうになったヘリコプターに引っ張られてオナトップは二股になった木の間に締め付けられて息絶える。

ボンド「絞め技が好きだったからね」

一方、隠れ家にいるアレック・トレヴェルヤンと犯罪組織「ヤヌス」のコンピュータープログラマー、ボリス・グリシェンコは、2機目の”ゴールデンアイ”を起動させるために湖の底に隠してあったパラボラアンテナを地上に出現させ”ゴールデンアイ”の起動の準備に入った。

ボンドとナターリアは水が引いた湖の底から犯罪組織「ヤヌス」の隠れ家に潜入する。ボンドとナターリアは二手に分かれて行動することにする。

ボンドはアレックの部下に見つかり銃撃戦になる。銃撃戦のなかボンドは、Qから預かった遠隔起爆装置を地下の管制室にある液体ガスのタンクにセットして回る。銃撃戦で液体ガスのタンクに穴が空き燃料が漏れ出す。アレックの前に連れてこられたボンドに、アレックはボンドの腕時計を取り上げ遠隔起爆装置を解除してしまう。ボンドは、アレックから仲間のボリス・グリシェンコがイギリスのロンドン銀行に不正アクセスし、金を引き出し、その不正操作記録を”ゴールデンアイ”の電磁波で隠滅するのが真の目的であることを告げられる。

一方、ナターリアは、ボリスがプログラミングした”ゴールデンアイ”の軌道プログラミングを書き換えることに成功し、大気圏に突入させ自爆するように仕向ける。ナターリアも部下に捕まりアレックの前に連れて行かれる。

ボリスと再会したナターリアは彼と口論になって突き飛ばす。ボリスはいつも使っている自分のボールペンではなくボンドがアレックに取り上げられた手榴弾のボールペンを手にしてしまう。

ボリスはナターリアが”ゴールデンアイ”の軌道プログラミングを書き換えたことに気がつき、アレックはナターリアに変更したアクセス・コードを教えるようにボンドに拳銃を突きつけてナターリアを脅す。

ナターリア「殺せば。赤の他人よ」

ボリスは緊張し、手榴弾のボールペンをノックしながらアクセス・コードの解析を急ぐ。ボリスはナターリアにアクセス・コードを要求しながら手榴弾のボールペンを3回ノックし、手榴弾を作動させてしまう。ボンドはとっさに手榴弾のボールペンを液体ガスのタンクから漏れ出た燃料のなかに投げ込み、地下の管制室は爆発し、炎に包まれる。

ナターリアからボリスはアクセス・コードを解読するだろうと聞いたボンドはパラボラアンテナ破壊のために地上へ向かう。ボンドは用心のためにナターリアに拳銃を渡す。アレックはボリスにアクセス・コード解析を命令してボンドの後を追う。

ボンドとアレックは銃撃戦となるが、お互い銃弾が切れて格闘となる。

ボリスはアクセス・コードを解読し、”ゴールデンアイ”の軌道を修正するが、ボンドはパラボラアンテナを動かす歯車にパイプを突っ込みパラボラアンテナの動きを止める。”ゴールデンアイ”はナターリアがプログラミングした通り大気圏で爆発して消えてなくなる。

ボンドはメンテナンス用のはしごを使って逃げる。アレックはヘリコプターを呼び、ボンドにとどめを刺すためにはしごを降りていく。ボンドとアレックは格闘し、アレックは地上に落下しそうになりボンドはアレックのブーツを握りしめる。

アレック「祖国のためか」

ボンド「いや、自分のためだ」

ボンドはアレックのブーツから手を離す。爆発したパラボラアンテナはアレックに向けて落下していった。

 

ボリスは廃虚と化したコントロール・センターのなかで俺は天才だと叫ぶが爆発した液体窒素を浴びて凍死した。

アレックが呼んだヘリコプターにはナターリアが忍び込み拳銃でパイロットを脅していた。ボンドはヘリコプターに飛び移り、無事地上に降りた。

抱き合うふたりの前に海兵隊を連れたウェイドが現れる。

ウェイド「今の続きは基地に帰ってから、ごゆっくりと」

 

ナターリア「もうあなたと乗り物は嫌よ」

ボンド「もうすべて終わったから、何もないよ」

ボンドは、笑顔でナターリアを抱きかかえた。

 

 

映画『007/ゴールデンアイ』作品情報(スタッフ・キャスト)

原題:GoldenEye

製作年:1995年

製作国:イギリス/アメリカ合衆国

製作会社

イオン・プロダクション

ユナイテッド・アーティスツ

ダンジャック

配給:UIP

日本公開日:1995年12月16日(土)

上映時間:130分

 

【 スタッフ 】

製作

マイケル・G・ウィルソン

バーバラ・ブロッコリ

監督:マーティン・キャンベル

キャラクター創造:イアン・フレミング

原案:マイケル・フランス

脚本

ジェフリー・ケイン

ブルース・フィアスティン

音楽:エリック・セラ

テーマ曲:モンティ・ノーマン「ジェームズ・ボンドのテーマ」

主題歌:ティナ・ターナー「GoldenEye」

エンディングテーマ:エリック・セラ「エクスペリエンス・オブ・ラブ」

劇中歌:ミニー・ドライバー「スタンド・バイ・ユア・マン」

撮影:フィル・メヒュー

編集:テリー・ローリングス

 

【 キャスト 】

ピアース・ブロスナン:ジェームズ・ボンド

任務遂行中の殺人が認められているイギリス政府公認の殺人許可書”殺しのライセンス”を持つイギリス情報局秘密情報部(MI6)00課に所属するエージェント。コードネームは”007”。

【5代目ジェームズ・ボンド】ピアース・ブロスナン【5代目ジェームズ・ボンド】ピアース・ブロスナンのプロフィールやキャリアは?

 

イザベラ・スコルプコ:ナターリア・シミョノヴァ

セヴェルナヤ宇宙兵器制御センターのコンピューター技術士。思わぬことからボンドと行動をともにして任務に巻き込まれてしまう。

 

ファムケ・ヤンセン:ゼニア・ザラゲブナ・オナトップ

国際犯罪組織ヤヌスの魅惑的な女性戦闘員。男を誘惑して破滅に導くことが喜びで、得意技は太ももで相手を挟んでの絞殺。

 

ショーン・ビーン:アレック・トレヴェルヤン

本作の悪役。旧ソ連の秘密兵器”ゴールデンアイ”を盗んだ犯罪組織ヤヌスの首領。英国政府に裏切られた両親の復讐を果たすために、ロンドン中の電子機器を不能にし英国経済の破綻を企てる。元イギリス情報局秘密情報部(MI6)の00課に所属するエージェント。コードネームは”006”でジェームズ・ボンドとは同僚だった。戦闘能力は、ボンドと互角の腕前。

 

ジョー・ドン・ベイカー:ジャック・ウェイド

CIAの連絡員。

 

ロビー・コルトレーン:ヴァレンティン・ズコフスキー

元KGBの諜報員。 ロシアの大物武器商人。

 

アラン・カミング:ボリス・グリシェンコ

犯罪組織ヤヌスのコンピュータープログラマー。

 

ゴットフリード・ジョン:アルカディー・グリゴリビッチ・ウルモフ

ソ連の科学兵器(神経ガス)工場の責任者。 のちにロシアの将軍となる。

 

チェッキー・カリョ:デミトリ・ミシュキン

ロシアの国防大臣。

 

ジュディ・デンチ:M

イギリス情報局秘密情報部(MI6)の局長。

 

デズモンド・ルウェリン:Q

イギリス情報局秘密情報部特務装備開発課(Q課)の責任者。QはQuartermaster(需品担当将校)の略称。彼の発明品をすぐに壊すボンドに少し呆れている。

 

サマンサ・ボンド:ミス・マニーペニー

イギリス情報局秘密情報部(MI6)の局長Mの秘書。

 

マイケル・キッチン:ビル・タナー

MI6の幕僚主任 ジェームズ・ボンドとはMI6で長くからの友人。

 

セレナ・ゴードン:キャロライン

MI6から派遣された女性精神科医。

 

 

映画『007/ゴールデンアイ』トリビア

◎「007」映画シリーズ第16作『007/殺しのライセンス』(1989)は、映画への関心を高めるためにコンテスト形式の広告キャンペーンを開催しました。コンテストの勝者は、次のジェームズ・ボンド映画でカメオ出演を約束されました。残念ながら、多くの製作上の問題から、「007」映画シリーズ第17作目の製作は6年間始まりませんでした。コンテストの勝者は長く待たされながらも『007/ゴールデンアイ』の中でカメオ出演の機会を与えられました。彼女は、台詞を言うシーンはありませんが、ボンド(ピアース・ブロスナン)が、カジノ・ド・モンテカルロで女殺し屋ゼニア・オナトップ(ファムケ・ヤンセン)とバカラをしているときに、ゼニアの肩越しに美しい金と黒のイブニングドレスを着ている姿を見ることができます。

 

◎『007/ゴールデンアイ』の初期プロットは当時すでに公開されていたアーノルド・シュワルツェネッガー主演の『トゥルーライズ(原題:True Lies)』(1994)とほぼ同じだったため、製作中にスクリプトにいくつかの変更を加える必要がありました。

 

◎『007/ゴールデンアイ』は、コンピューターグラフィックスを使用して有名な「銃身」のオープニングが作成され、CGIを使用した最初のジェームズ・ボンド映画となりました。

 

映画の冒頭でボンドが、ソ連アーカンゲル(アルハンゲリスク)の科学兵器工場に潜入する。ここでボンドが決行したバンジージャンプは、スタントマンのウェイン・マイケルズがジャンプを実際に行って撮影されました。落下は、219メートル以上でした。ジャンプをしたスタントマンのウェイン・マイケルズは、殺し屋ゼニア・オナトップ(ファムケ・ヤンセン)が撃った黒髪のタイガー・ヘリコプターのパイロットとしてカメオ出演しています。

 

◎ピアース・ブロスナンは、アレック・トレヴェルヤンの隠れ家に乗り込む前日にナターリアとともに過ごしたキューバのプライベートビーチでのシーンで、”ジェームズ・ボンドとは孤独な男”だと感じそこではじめてジェームズ・ボンドのキャラクターを理解したと語っています。それ以降の作品でも、キューバのプライベートビーチでのシーンを思い出し主役のジェームズ・ボンドを孤独な男として演じたそうです。

 

 

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記事作成日:2020/05/18

最終更新日:2022/04/27

 

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