『007/ユア・アイズ・オンリー』のあらすじとキャストは?

『007/ユア・アイズ・オンリー』のあらすじとキャスト

 

「007」映画シリーズ第12作『007/ユア・アイズ・オンリー』のあらすじとキャストなどを徹底解説!

 

『007/ユア・アイズ・オンリー』の解説・見どころ

イアン・フレミングの小説「007」シリーズの短編集の中の作品「読後償却すべし」の映画化。「007」映画シリーズ第12作目。ロジャー・ムーア版ボンドの出演5作目となる作品。今まで編集や第2班の監督だったジョン・グレンが監督に昇格した第1回目の作品。

前作『007/ムーンレイカー』がSF色の濃い作品だったことから「007」映画の本来のアクション映画への原点回帰を図った作品。「007」シリーズの連続性を印象付けるためにオープニングでブロフェルド(訴訟中のため素顔や役名は登場しない)と対決するシーンが登場。

オープニングの空中スタントから、カーチェイス、スキーアクション、銃撃戦や水中での格闘、ロッククライミングと肉体を使ったアクションシーン満載の作品となる。また、アクションシーンを強調するためにQの秘密兵器は登場しない作品となる。アクションシーンが増えた分、今までのような笑いのあるシーンは少なくなる。ジェームズ・ボンドの非情な一面が見られるシーンも登場する。

 

 

『007/ユア・アイズ・オンリー』のあらすじ

『007/ユア・アイズ・オンリー』予告編

『007/ユア・アイズ・オンリー』のあらすじ

秘密情報部員ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)が、最愛の妻トレーシー・ボンド(1969年没)の墓参りに訪れる。

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神父が慌てて迎えのヘリがこちらに向っていると伝えに来る。到着したユニバーサル貿易のヘリコプターにボンドは乗り込んで本部へ向かう。

ビルの屋上にいる首にコルセットをはめ、ペルシャ猫を抱き電動車いすに乗る男がボンドの乗るヘリコプターを確認すると、電動車いすに装備されたスイッチを押す。するとヘリコプターを操縦していた操縦士が死んでしまう。操縦士を失ったヘリコプターを遠隔操作するコルセットの男は機内のボンドに不気味に語り始める。ボンドは操縦席に移動し遠隔操作のケーブル切り、コルセットの男を追い詰めて、ヘリコプターで吊り下げることに成功。そのまま、ボンドは電動車いすに乗ったコルセットの男を煙突のなかへ捨て去るのであった。

 

アドリア海のアルバニア沖合を漁船に偽装し調査活動をしていた英国スパイ船セント・ジョージ号が何者かよって仕掛けられた対艦地雷によって沈没する事件が起きる。このスパイ船には、ソ連が手に入れたいと狙っていたイギリス軍のミサイルを自由に操って誘導出来る装置ATAC(Automatic Targeting and Attack Communicator)が搭載されていた。

モスクワ。この事件を知ったソ連のKGBトップ、ゴーゴル将軍(ウォルター・ゴテル)は早速、ギリシャ人実業家のクリスタトスにATACの回収を依頼する。

その頃、ロンドンのスパイ船沈没の報告を受けたイギリス秘密情報部では、休暇中のMに代わって参謀本部長のビル・ターナー(ジェームズ・ビリエ)が、イギリス海軍退役軍人で海洋考古学のティモシー・ハブロック博士に沈没船とATACを早急に見つけ出すよう命じていた。

ハブロック博士の一人娘で潜水の得意なメリナ(キャロル・ブーケ)が沈没現場近くの父親のヨット、トリアナ号に到着したとたん、彼女をヨットまで連れてきた飛行艇が突如銃撃を始めハブロック夫妻を殺されてしまう。突然のことでショックを受けるメリナだったが、両親の復讐を決意する。

ロンドンでは、ジェームズ・ボンドがビル・ターナーとフレデリック国防大臣(ジェフリー・キーン)からATACの回収とハブロック夫妻が殺害された事件の解決を命じられる。ボンドは、犯人と見られるゴンザレスを見つけ出し尋問するためにマドリードへ飛ぶ。

ボンドは、ゴンザレスを見つけ出すが、一足遅く復讐に燃えるメリナのクロスボウガンによって彼は殺されてしまう。ボンドとメリナは殺し屋の一団に命を狙われることになったが、ふたりは彼女の小さなシトロエンで殺し屋の追跡をなんとか振り切るのだった。

ボンド「山道のドライブは最高だね!」

 

ホテルに戻ったボンドとメリナ。

ボンド「中国のことわざに『復讐するものはまず墓をふたつ掘れ』ということわざがある」

両親の復讐に燃えるメリナをボンドは止めようするが彼女は聞き入れなかった。

ロンドンに戻ってビル・ターナーにゴンザレスの尋問に失敗したことを報告しボンドは叱責される。ボンドはQ(デズモンド・リュウェリン)が開発中の「3-D・ビジュアル・アイデンティグラフ」を使い検索した結果、殺し屋の一団の首領はベルギー人の殺し屋エミール・レオポルド・ロックであることが判明する。そして、彼は今、北イタリアのスキーリゾート地、コルチナダンペッツォにいることを突き止める。

 

北イタリアのコルチナダンペッツォへ飛んだボンドは、現地北イタリアのエージェント、ルイージ・フェラーラ(ジャン・モレノ)と出会う。ボンドは彼の紹介でギリシャの大富豪アリスト・クリスタトス(ジュリアン・グローヴァー)に出会う。クリスタトスは、ギリシャのヘロイン密輸の中心人物で白い鳩のリーダー、ミロス・コロンボが犯人であることを特定していた。また、クリスタトスは美少女ビビ・ダールのパトロンで、次期冬季オリンピックのフィギュア種目で金メダルを取らせようと特訓をさせていた。メリナは、殺し屋が手配した偽のボンドの手紙によってコルチナダンペッツォに来ていた。ロックの配下の殺し屋に命を狙われるがボンドに救われる。

ビビ・ダール(リン=ホリー・ジョンソン)に誘われて、バイアスロン競技場へ見学に行くが、殺し屋クリーグラー(ジョン・ワイマン)に襲われる。なんとか逃げ切ることに成功するボンド。

だが、フェラーラは、ボンドの帰りを待つ間にロータス・エスプリの中で殺されてしまう。彼の手には白い鳩のピン留めが握られていた。

 

ボンドは、ミロス・コロンボの調査を進めるためにギリシャへ向かう。コロンボがナイトクラブでリスル伯爵夫人(カサンドラ・ハリス)と一緒にいるのを目撃し、ボンドはリスル伯爵夫人からコロンボの情報を得ようと近づく。彼女と一夜をともにするボンド。翌朝、殺し屋らに襲われ、リスル伯爵夫人は殺されてしまう。突如現れた白い鳩のメンバーにボンドは助けられるが・・・。

ボンドはコルフ島でミロス・コロンボ(ハイアム・トポル)に出会う。ボンドはコロンボから本当の犯人は、二重スパイのクリスタトスでヘロインの密輸組織のボスでもあると知らされる。クリスタトスはヘロインを処理するためにアルバニアの輸送倉庫を利用していた。ボンドらは倉庫でアヘンの出荷を監督する殺し屋エミール・レオポルド・ロック(マイケル・ゴダード)を見つける。倉庫にはヘロインの他にセント・ジョージ号を沈めた対艦地雷も隠されていた。

ボンドとコロンボは、ロックが対艦地雷を使った倉庫の爆破から逃れることに成功する。ロックは車で逃げ出すが、ボンドが発砲しロックの肩に命中。

ボンド「フェラーラにこれを渡したのは君だな」と白い鳩のピン留めを車に投げ入れる。

絶壁の崖から転落しそうになるのをボンドが激しく車を蹴って崖から急落しロックは死ぬ。

ボンド「お気の毒に」

 

ボンドは、ハブロック博士のヨット、トリアナ号に行きメリナに会い、彼女の父親が英国政府に今回のことで何か情報を残していないか尋ねる。彼女の父親は航海日誌を残していることを彼女から聞く。その日誌にいつもと違う場所を探索していることを知る。二人は彼女の父親が使っていた潜水艇ネプチューンを使ってその場所を探索するとセント・ジョージ号を発見する。沈没したセント・ジョージ号の船内で起動出来なかった爆薬を取り付けたATACを発見する。海底でクリスタトスの手下に襲われるが手下を倒したふたりはトリアナ号に戻るとクリスタトスが待っていた。彼はATACをソ連に売ろうとしていたのであった。ボンドとメリナは、抱き合う形で縛られて鮫が徘徊する海中に投げ入れられてしまう。

鮫のいる海から生還した二人は、父親が飼っていたペットのオウムからクリスタトスはギリシャ北部の山頂にある聖キリル教会へ向ったと知らされる。その頃、ソ連のゴーゴル将軍もATACを求めて教会へ向かっていた。ボンドらもクリスタトスのアジトであるギリシャ北部の山頂の聖キリル教会へ向った。ボンドは断崖絶壁を登って行き聖キリル教会に到着し、仲間のコロンボやメリナを引き上げクリスタトスの手下と激しい戦闘になる。ボンドはクリスタトスと対決し、コロンボがクリスタトスにとどめを刺す。

ゴーゴル将軍が山頂に到着しATACを要求するが、ボンドはそれを突然、断崖から放り投げて破壊してしまう。

ボンド「デタントだ。これでお互い無事だ」

それを見たゴーゴル将軍はショックを受けるが、しばらくすると笑ってその場を立ち去るのであった。

 

トリアナ号でくつろぐボンドとメリナ。口づけを交わしながら、

メリナ「今、何をしたいかわかる」

ボンド「さぁ」

メリナ「月夜のダイブ。あなただけに」とつぶやきながら、

メリナは青いバスローブを脱ぎ捨て、ふたりは月夜の青い海の中へ。

 

 

『007/ユア・アイズ・オンリー』作品情報(スタッフ・キャスト)

原題:For Your Eyes Only

製作年:1981年

製作国:イギリス/アメリカ合衆国

製作会社

イーオン・プロダクションズ

配給:ユナイテッド・アーティスツ

日本公開日:1981年7月11日(土)

上映時間:127分

 

【 スタッフ 】

製作:アルバート・R・ブロッコリ

製作総指揮:マイケル・G・ウィルソン

監督:ジョン・グレン

原作:イアン・フレミング「読後償却すべし」

脚本

リチャード・メイボーム

マイケル・G・ウィルソン

音楽:ビル・コンティ

テーマ曲:モンティ・ノーマン「ジェームズ・ボンドのテーマ」

主題歌:シーナ・イーストン「ユア・アイズ・オンリー」

撮影:アラン・ヒューム

編集:ジョン・グローヴァー

プロダクション・デザイン:ピーター・ラモント

特殊効果:ジョン・エヴァンス

特殊視覚効果:デレク・メディングス

メインタイトル・デザイン:モーリス・ビンダー

 

【 キャスト 】

ロジャー・ムーア:ジェームズ・ボンド

任務遂行中の殺人が認められているイギリス政府公認の殺人許可書”殺しのライセンス”を持つイギリス情報局秘密情報部(MI6)00課に所属するエージェント。コードネームは”007”。普段は、MI6のダミー会社であるユニバーサル貿易の社員。

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ジュリアン・グローヴァー:アリスト・クリスタトス

本作の悪役。沈没した英国のスパイ船回収に協力するギリシャの大富豪。裏ではヘロインの密輸組織のボスで二重スパイ、回収の真の目的はATACの略奪、ソ連への売却であった。

 

ハイアム・トポル:ミロス・コロンボ

ギリシャのヘロイン密輸の中心人物。常にピスタチオを食べている。

 

キャロル・ブーケ:メリナ・ハブロック

イギリス海軍退役軍人で海洋考古学のティモシー・ハブロック博士の一人娘。

 

カサンドラ・ハリス:リスル伯爵夫人

愛人商売のオーストリア人。殺し屋のロックに殺害される。

 

マイケル・ゴダード:エミール・レオポルド・ロック

殺し屋

 

ジョン・ワイマン:エリック・クリーグラー

ソ連のKGB

 

ジャック・ヘドレイ:ティモシー・ハブロック

イギリス海軍退役軍人で海洋考古学。沈没した英国スパイ船の回収を依頼される。

 

リン=ホリー・ジョンソン:ビビ・ダール

次期冬季オリンピックのフィギュア種目で金メダルを狙う美少女。クリスタトスの支援を受ける。

 

ウォルター・ゴテル:アナトール・ゴーゴル将軍

ソ連のKGB長官

 

ジェフリー・キーン:フレデリック・グレイ

国防大臣

 

ジャン・モレノ:ルイージ・フェラーラ

イタリア支部のエージェント。ボンドの調査に協力する。

 

ジャネット・ブラウン:イギリス首相

 

ジェームズ・ビリエ:ビル・ターナー

イギリス秘密情報部の参謀本部長。

 

デズモンド・リュウェリン:Q

イギリス情報局秘密情報部特務装備開発課(Q課)の責任者。QはQuartermaster(需品担当将校)の略称。彼の発明品をすぐに壊すボンドに少し呆れている。

 

ロイス・マクスウェル:ミス・マネーペニー

イギリス情報局秘密情報部(MI6)の局長Mの秘書。

 

 

『007/ユア・アイズ・オンリー』トリビア

◎長年、Mを演じてきたバーナード・リーが、撮影前の1981年1月16日に胃がんで亡くなりました。その結果、Mが出演するシーンはQに書き換えられました。彼への敬意を示し、プロデューサーのアルバート・R・ブロッコリはMの代役をたてることを拒否しました。本作で、Mは登場せず休暇中という設定に脚本を書き換えられました。

 

◎法的な理由から、ヘリコプターのオープニングシーンから一連の対話をカットする必要がありました。ケビン・マクロリーが数年前に訴訟を起こしており、「S.P.E.C.T.R.E.」および「Ernst Stavro Blofeld」の使用権を所有していたため、車椅子の男は「ブロフェルド」と呼ぶことはできませんでした。この映画の早い段階でブロフェルドを非公式に処分したのは、アルバート・R・ブロッコリが007シリーズの成功は「スペクター」や「ブロフェルド」のキャラクターに依存しないことをマクロリーに伝えるためであり、「ブロフェルド」というキャラクターを一度にすべて排除しました。マクロリーは、ブロフェルドが、マックス・フォン・シドーによって演じられた番外編のボンド映画『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(1983)を製作、公開しました。ブロフェルドは、権利問題が最終的に2013年に解決された後、『スペクター』(2015)までイーオン・プロ製作のボンド映画に登場することはありませんでした。

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◎『007/ムーンレイカー』(1979)は、興行成績では大成功を収めましたが、映画批評家からは、「007」映画シリーズの突飛な小道具、風変わりな陰謀、酷すぎる悪役、およびスクリューボールコメディーに集中しすぎているとコメントされました。その結果、プロデューサーは、『007 /ロシアより愛をこめて』(1963)と『女王陛下の007』(1969)をモデルとして使用、この映画をより現実的なストーリーラインに戻すことにしました。そのためこの作品『007/ユア・アイズ・オンリー』には、それらの映画と同様の多くのストーリー要素が含まれています。「A.T.A.C.」は、『007 /ロシアより愛をこめて』の暗号解読機「レクター」からの引用、クリーグラーは、『007 /ロシアより愛をこめて』のグラントを参考に、コロンボは、『007 /ロシアより愛をこめて』のケリム・ベイを参考に、冬のアクションシーンは、『女王陛下の007』(1969)に参考にしています。

 

◎カサンドラ・ハリスが、夫のピアース・ブロスナン(5代目ジェームズ・ボンド)をプロデューサーのアルバート・R・ブロッコリに紹介したのは、『007/ユア・アイズ・オンリー』を製作している最中でした。

 

◎スティーブン・スピルバーグは、『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015)より前の早い時期にジェームズ・ボンド映画を監督することに非常に興味があり、監督についてプロデューサーのアルバート・R・ブロッコリと話していましたが、ブロッコリはボンド映画はイギリスの監督だけに監督を任せたいと語っていました。その直後、ジョージ・ルーカスはスピルバーグにインディアナ・ジョーンズの形で彼自身の象徴的なヒーローを『レイダース/失われたアーク(聖櫃)』(1981)で提供しました。

 

◎イギリスの首相マーガレット・サッチャーとのエンディングシーンは、現実の政府首脳がジェームズ・ボンドの映画の中でスクリーン上に描かれたのは初めてでした。彼女は、サッチャーのモノマネで知られている女優のジャネット・ブラウンが演じました。

 

◎「Eyes Only」なら、「見て読む以外は不可」の意味の慣用句で極秘文章などに使用される。映画の原題である「For Your Eyes Only」は、「(今読んでいるこの書類は)読後消却(のこと)」の意味と「あなただけに見て欲しい」という女性から男性を誘惑をも意味するダブルミーニングとなっている。映画のラストシーンでメリナがボンドに「月夜の海へダイビング」に誘うために青のバスローブを鮮やかに脱ぎ捨て、この台詞を言う。

 

◎ボンド役のロジャー・ムーアは本作撮影終了後、「ボンド役の正式な降板」を表明するが、後任となる適任者が見つからず、結局続投することになる。ロジャー・ムーアが正式に降板するのは、この後2作品『007/オクトパシー』、『007/美しき獲物たち』に出演したあとになる。

 

 

記事作成日:2020/07/05

最終更新日:2021/09/07

 

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