007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の登場人物、あらすじは?

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の登場人物、あらすじは?

 

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の登場人物、あらすじなどについての紹介です。

 

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の出版データ

 

タイトル:

007/死ぬのは奴らだ

 

英国の出版年:

1954年4月5日

 

出版社:

ジョナサン・ケープ社

 

ジェームズ・ボンド007の生みの親、英国人作家イアン・フレミングの生涯と創作の原点

出典:https://historical.ha.com/itm/books/signed-editions/ian-fleming-live-and-let-die-london-jonathan-cape-1954-first-edition-inscribed-by/a/6030-37257.s

ハードカバー版

初版本のカバーデザイン

カバー・アーティスト: ケネス・ルイス

 

ページ数:

234ページ

 

 

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の登場人物

 

ジェイムズ・ボンド

英国秘密情報部員

ジェームズ・ボンドのプロフィールはコチラ!

ジェイムズ・ボンドという名の男【ジェームズ・ボンド007のプロフィール】ジェイムズ・ボンドという名の男【ジェームズ・ボンド007のプロフィール】

 

M

同部の部長

 

ストラングウェイズ

同部のカリブ海域主任

 

デクスター

FBIニューヨーク支局長

 

フェリックス・ライター

CIA局員

 

ビンスヴァンガー

ニューヨーク市警の殺人課の警部補

 

ミスター・ビッグ

暗黒街の大ボス

 

ティヒー・ジョンソン

ビッグの部下

 

サム・マイアミ

ビッグの部下

 

“おしゃべり”

ビッグの部下

 

“囁き”

ビッグの部下で電話交換手

 

ロバー

生き餌倉庫の管理人

 

ソリテール

神秘的な力を持つ美女

 

サミュエル・D・ボールドウィン

車室係のボーイ

 

クォーレル

ケイマン島の若者

 

マネーペニー

Mの秘書

 

ダモン海軍中佐

カナダ人のA課の課長

 

トリップ

FBIの爆発物調査班

 

モナハン

ニューヨーク市警本部長

 

パパゴス

「オーロボーロス魚釣り用生き餌会社」の持ち主

 

マクシング

ビッグの部下

 

あばた

ビッグの部下

 

ミセス・スタイヴサント

ロッジ「エヴァーグレーズ」の管理人

 

 

 

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」のあらすじ

 

【もくじ】

 

第1章「赤い絨毯」

第2章「Mとの会見」

第3章「名刺代わり」

第4章「大きな電話交換盤」

第5章「〈黒人の天国〉」

第6章「Zテーブル」

第7章「ミスター・ビッグ」

第8章「愛嬌のないやつ」

第9章「真か?偽か?」

第10章「銀影号」

第11章「火をつける女〈アルムーズ〉」

第12章「〈エヴァーグレーズ〉」

第13章「ペリカンの死」

第14章「この男は、何かと喧嘩して噛まれた」

第15章「深夜の生き餌倉庫」

第16章「ジャマイカの話」

第17章「葬儀屋の嵐」

第18章「ボー・デゼール」

第19章「影の谷」

第20章「“血まみれモーガン”の洞窟」

第21章「おやすみ、お二人さん」

第22章「海の恐怖」

第23章「慰労休暇」

 

 

 

【あらすじ】

 

デクスター「今までは、ミスター・ビッグに対するわれわれの方針は“われも生き、彼も生かす”でした」

ボンド「わたしの仕事では、こんな男と対決することになった時は、違うモットーを持っています。“死ぬのは奴らだ”というんです」

第4章「大きな電話交換盤」

 

 

1月初めのある日。

ボンドは朝9時にMと面会することになった。

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出典:https://www.jamesbondlifestyle.com/news/folio-societys-illustrated-edition-live-and-let-die

 

「カジノ・ロワイヤル」の事件後、夏の末に休暇をもらいQが紹介してくれた信頼できる医師による植皮手術を受けてボンドの手の甲の傷は時間がかかったが完治していた。

ボンドはスメルシュへの復讐を誓った。

 

Mの話では、

ここ2,3カ月アメリカ国内で1000枚ぐらい古い金貨が発見されている。何者かが黒人を使って、米国中の各州に金貨をばらまいている。

その財宝とはジャマイカにある史上最高の財宝、“血まみれモーガン”の財宝ではないかと思われる。

FBIは、ジャマイカ北岸のある小さな島から、メキシコ湾のセント・ピーターズバーグに通っているセカター号という名のディーゼル・ヨットを見つける。

(セント・ピーターズバーグは、タンパの近くにあるフロリダ西岸の保養地)

その島と船の持ち主がミスター・ビッグという名の黒人ギャングだとFBIは探り当てる。

ジャマイカの財宝が、ソ連のスパイ組織の財源になっている。

ミスター・ビッグは、暗黒街の大ボスだがソ連のスパイでもある。スメルシュのなかでも有力な一員。また、ミスター・ビッグはハイチ生まれでフランス人の血も引いていて、ヴァードゥー教の教祖、サメディ大公だと信じ恐れられている。

アメリカのCIAとFBIとの共同の仕事になるから、FBIは怒らせないように注意して任務に当たるようにとボンドはMに強く言われる。

 

 

ボンドは、ニューヨークについてすぐ黒人女性が運転する黒いシヴォレー・セダンを見かける。ミスター・ビッグらしき男が後ろの席に座っていた。

 

ボンドは、朝食を頼むと一緒に小包が届けられる。

小包は時限爆弾で爆発し、残骸のなかに大型拳銃の空砲がはいっていた。そのなかには死を警告したメモが入っていた。ボンドがホテルに泊まっていることが漏れていた。

 

ボンドは久しぶりにフェリックス・ライターと出会い、ふたりはミスター・ビッグがいるハーレムに向かう。ミスター・ビッグの居場所を聞き出そうとするがハーレムの店ではなかなか情報を聞き出せなかった。

最後に入った店でボンドとライターはミスター・ビッグの手下に捕まり、ミスター・ビッグのもとへ連れて行かれる。

 

ボンドは、ミスター・ビッグと対面する。

ミスター・ビッグは人の心が読めるミス・ソリテールを呼んでボンドが言っていることが正しいか占わせる。

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出典:https://www.ianfleming.com/book_category/classic-bond/

 

ソリテールはボンドの言う事(アメリカでイギリスの古い金貨がばらまかれていてアメリカ財務省の調査依頼がありアメリカに来た)は正しいと答える。

 

ミスター・ビッグ「ボンド君、きみが一番使わない指はどの指だね?」

ミスター・ビッグ「ティヒー、ボンド君の左手の小指を折れ」

 

ティヒーは、ボンドは左手の小指をへし折る。ボンドはそのまま気を失った。

 

ティヒー「愛嬌のねえ野郎だ」

 

ミスター・ビッグ「死に値するやつは、それにふさわしい死に方をする」

ボンドは、ミスター・ビッグから今日中にアメリカから離れるように、もしまた会ったらその時は殺すと警告を受ける。ボンドは外に連れ出そうとしたティヒーを倒して逃げ出すことに成功する。

ライターは、ジャズ好きの“おしゃべり”とジャズ話で意気投合しこっそり逃げ出すことができた。

 

ボンドとライターは、別々の移動手段(ボンドは汽車、ライターは飛行機)でミスター・ビッグがいると思われるセント・ピーターズバーグへ向かう。

 

ソリテールから突然、ボンドに電話があり一緒に逃げたいと言ってくる。ボンドは一瞬、ためらったが汽車の出発時刻を彼女に教えた。

ボンドの冷酷ないい方をすれば、せいぜい利用することにした。

 

汽車が出発する直前に食堂車の給仕がひとり急に具合が悪くなり、新しい給仕と交代することになった。

 

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出典:http://www.jamesbondthesecretagent.com/2019/11/mr-big-is-eighth-villain-to-be-released.html

 

ボンドとソリテールはジャクソンヴィルで下車。セント・ピーターズバーグ行きの銀星号に乗り換える。ボンドとソリテールはセント・ピーターズバーグのひとつ手前のクリアウォーターで下車した。

 

ロッジ〈エヴァーグレーズ〉でボンドはライターと落ち合った。

ライターの話では、

ボンドとソリテールがジャクソンヴィルで下車後、ふたりがいた車室がサブマシンガンで襲撃され、爆弾を投げ込まれ爆破された。

 

ミスター・ビッグが所有するセカター号が停泊しているオーロボーロス生き餌会社の管理人ロバーはミスター・ビッグの手下だとボンドとライターは推測した。

 

ボンドとライターは生き餌会社に様子を見に出かける

ソリテールは嫌な予感がするとボンドらが出かけるのを嫌がった。

ボンドとライターがロッジ〈エヴァーグレーズ〉に帰ってみるとソリテールはミスター・ビッグの手下に連れされたあとだった。

 

 

翌朝5時

フェリックス・ライターはひとりで生き餌会社へ潜入捜査に向かった。

 

ボンドはロバーツと言う名の医師からの電話で病院に急ぐが、そんな医師も患者もいないと言われる。

ボンドが急いでロッジ〈エヴァーグレーズ〉に帰ると身体中包帯だらけのライター?が運び込まれていた。

「この男は何かと喧嘩して噛まれた」とメモが残されていた。

すぐにボンドは、警察に連絡し刑事と警察医が来てライターを病院へ運び出した。

 

 

CIAのライターの上司から電話があり、ジャマイカへ飛んでくれと言われる。

ミスター・ビッグとソリテールは、キューバのバハマへ向かっていた。

 

ボンドは深夜の生き餌会社の倉庫に潜入し、毒魚の入った水槽の砂の下に金貨が隠してあることを発見する。

セカター号が持ってきた荷物の金貨15万ドルぐらいかとボンドは推測し、ここから金貨が市場に流れている事を突き止めた。

 

ボンドは、管理人のロバーに見つかり銃撃戦になる。ロバーは、がんどう返しの穴に落ちて、ボンドに助けを求める。

すべてを話したところでボンドは鮫のいる生け簀にロバーを蹴り落とした。ロバーが生け簀に落ちたあと”ガブリ”と大きな音がした。

ボンドはライターとソリテールのささやかだがお返しをしてやった。

 

 

11時に飛行機はジャマイカの首都キングストンに到着し、カリブ海域主任のストラングウェイズが出迎えに来ていた。

ストラングウェイズの話では、

サプライズ島に血まみれモーガンの宝があると昔から噂になっている。血まみれモーガンはシャーク湾を本拠地としていた。過去二百年間、血まみれモーガンの秘宝を探したが見つかっていない。

 

6カ月前、2つの事件が起きる。

1つ目はシャーク湾の若い漁師が行方不明になる。

2つ目はニューヨークのある会社(ミスター・ビッグの持ち物)が匿名でサプライズ島をランラムニー不動産から1000ポンドで買い取っていた。

2~3週間すると、セカター号というヨットがシャーク湾に停泊するようになった。

 

それ以来、地元の人々はサプライズ島からブードゥー教の歌やドラムの音が鳴り響くためにこの島を恐れていた。そして、翌日必ず死体が発見された。

 

3カ月前

ロンドンからサプライズ島の調査をするように命令される。

ボンドの推測では、ミスター・ビッグはすでにこの島から100万ポンド近くの金貨を持ち出していた。

ボンドは、ストラングウェイズにロンドンに連絡して装備品を送るように頼んだ。

海軍省から圧縮空気の完全なボンベ(ボンベの予備はたくさん)のついている潜水服一組

フランスのシャンピニオンの水中銃二挺

水中電灯

コマンド用ナイフ

自然史博物館から鮫とバラクーダ(オニカマス)に関する資料全部

アメリカ人が太平洋で使っている鮫よけの道具

吸着爆雷といろんな導火線

 

 

季節は2月

ボンドは、クォーレルと一緒にボー・デゼールにある家に泊まり込み1週間、海中からサプライズ島に向かうために海で訓練を開始する。

 

ボンドは、フェリックス・ライターの病状報告(一命は取り留めたもの片手、片足を失った)とミスター・ビッグとソリテールが、セカター号でサプライズ島に来るとストラングウェイズから知らされる。

 

 

夜10時にボンドは泳いでサプライズ島に向かった。

海中を泳いでセカター号の船底に到着したボンドは、7時間の時限信管を選んで爆雷をセットした。

 

ミスター・ビッグは鮫とバラクーダの餌付けのために船から餌がまかれた。それによって集まってきた鮫とバラクーダがボンドを襲ってきた。

そのうちの一匹のバラクーダに襲われてボンドは左肩を噛まれた。

 

ボンドは海中を逃げる途中で大きな岩の割れ目を見つける。横に大きな丸い石があり丸石の影に洞窟を発見した。

洞窟を進んでいくと行き止まりの頭上には池があった。池から入ってきたふたりの黒人にボンドは捕まってしまう。

教会ほどもある大きな岩の部屋には、ミスター・ビッグが手に入れた金貨や財宝の山があった。そして、ミスター・ビッグと手下の黒人たちが待ち受けていた。

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の登場人物、あらすじは?

出典:https://entertainment-focus.com/2019/11/05/ian-fleming-james-bond-live-and-let-die-review/

 

ミスター・ビッグ「ジェイムズ・ボンド君か、おはよう」

 

池のあった岩の部屋の上で黒人たちが、タンクに金貨や財宝を中に入れる仕事をしていた。

全部で、400万ポンドぐらいはあるだろうとボンドは推測しなおした。

ボンドの第1の仕事は生き延びてソリテールに会い、彼女を爆雷の仕掛けたセカター号に乗せないことと決めていた。

ミスター・ビッグはセカター号に積んであるパラヴェイン(敷設機雷除去装置)からたらしたロープにボンドとソリテールを縛り付け、珊瑚礁の上を引きずって鮫やバラクーダの餌にすると説明した。

 

 

翌朝

5時半前後

ボンドとソリテールは手を縛られたまま外に出される。

6時ごろにはセカター号の船艇に仕掛けた爆雷が爆発することをボンドはソリテールに小声で説明した。

 

6時10分前

ソリテールは服を脱がされて全裸でボンドと抱き合わせて一緒にしっかり縛り直された。

 

6時5分前

セカター号は、島から離れていきふたりは海に引き込まれた。

ミスター・ビッグは船尾に設置した魚釣り用の椅子に座ってふたりを監視した。

 

セカター号が珊瑚礁に入る前にピカリと空がひかり、爆発の轟音がとどろいた。

 

ロープの切れたボンドとソリテールは珊瑚礁の上にたどり着いた。

 

セカター号は影も形もなくなっていた。

静かな空高く、きのこ型の煙が上がっていた。

 

ミスター・ビッグは、鮫とバラクーダに食い尽くされ血の海の底へ消えていった。

 

ジェイムズ・ボンドの青みを帯びた灰色の目に、子供の時以来初めての涙が浮かび、やつれた頬を伝って血だらけの海に落ちた。

 

 

クォーレルはボンドをポート・マリアの病院に連れて行きバラクーダに噛まれた左肩の手術を受けさせた。

ストラングウェイズは、Mとワシントンにミスター・ビッグのハーレムとセント・ピーターズバーグの一味を金の密輸で逮捕するための詳細な報告書を送った。

セカター号の生存者はひとりもいなかった。

 

Mは、ボンドにソリテールとの14日間の情熱的な慰労休暇を許可した。

 

 

 

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の小説のテーマ

 

イアン・フレミングは、長編小説第2作の「007/死ぬのは奴らだ」を第1作の「007/カジノ・ロワイヤル」よりシリアスな内容のストーリーを考えていました。「悪とは何か」について考察するような物語を考えていて、小説のタイトルもジャマイカの風についての言葉、“島からすべての悪い空気を吹き飛ばす”という意味の「The Undertaker’s Wind(葬儀屋の風)」と付けていました。

 

 

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」のプロットの着想

 

イアン・フレミングは、「007/死ぬのは奴らだ」のリサーチのため、妻のアンとニューヨークに行った際に、1943年にフレミングが初めてジャマイカを訪れた時に友人のアイヴァー・ブライスと一緒に旅行をした時と同じルート(列車のシルバー・メティオでフロリダのセント・ピーターズバーグまで行き、そこから飛行機でジャマイカへ飛んだ)を旅しました。

 

「007/死ぬのは奴らだ」にはフレミングの多くの個人的な体験を元に執筆されています。冒頭、ボンドがニューヨークのアイドルワイルド空港(現在のジョン・F・ケネディ国際空港)に到着するシーンでは、フレミング自身の1941年と1953年の旅行からヒントを得ています。また、フェリックス・ライターが鮫に襲われる生き餌会社の倉庫は、フレミングと妻のアンが旅行で訪れたフロリダ州セント・ピーターズバーグにある同様の建物をモチーフにしています。

 

ブードゥー教に関しては友人の英国で旅行作家として最も有名なパトリック・リー・ファーマーの1950年に出版された著作「The Traveller’s Tree」を引用しています。作中でもボンドがブードゥー教について知識を得るためにMからこの本を薦められて読んでいる描写(パトリック・レイ・ファーマーの著作『旅人の樹』)が出てきます。

参考 The Traveller's Tree: A Journey Through the Caribbean IslandsAmazon公式サイト

 

 

フレミングは、子供の頃に読んだ小説や、エロール・フリンが出演した海賊映画『海賊ブラッド』(1935年)などの映画を見て楽しんだこともあり、長年「海賊」に対して強い関心を持っていました。

海賊映画『海賊ブラッド』予告編

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MEMO

海賊ブラッド』(Captain Blood)

1935年のアメリカ映画

監督:マイケル・カーティス

出演:エロール・フリンオリヴィア・デ・ハヴィランド

ラファエル・サバティーニの原作小説「海賊ブラッド」を名作「カサブランカ」のマイケル・カーティスが監督をつとめる。主演のエロール・フリンは無名の新人だったが、この作品に抜擢され一躍人気者となる。

 

 

フレミングはジャマイカの北岸にある別荘の「ゴールデンアイ」の家から、島の南にある港町ポート・ロイヤルも訪れています。ポート・ロイヤルは、17世紀にヘンリー・モーガン卿や黒髭などの海賊の母港であり、それらすべてのことがフレミングの興味を刺激しました。

ミスター・ビッグの隠れ家のサプライズ島の描写については、フレミングはカリブの海賊“血まみれモーガン”の財宝の本当の隠し場所であるジャマイカのカバリタ島のポート・マリア・ベイを参考にしています。

ジャマイカのカバリタ島の観光案内動画

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ボンドがミスター・ビッグのセカター号まで泳ぐ描写の多くは、フレミングが1953年に海洋学者のジャック=イヴ・クストーと一緒にスキューバダイビングをした経験をもとにして書かれています。

 

 

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の作品の特徴

 

長編第2作の「007/死ぬのは奴らだ」は、長編第1作の「007/カジノ・ロワイヤル」のカードゲームの世界から、世界が広がりアメリカとジャマイカを舞台に物語が進みます。黒人社会のハーレム街をボンドと一緒に捜査して、フェリックス・ライターはジャズ好きという設定からジャズの魅力を語り、1950年代のハーレムのナイトクラブの描写が楽しめます。

 

悪役のミスター・ビッグの不気味さを出すためにブードゥー教のサメディ大公や地元の人々に恐れさせるためにブードゥー教のドラムが効果的に使われています。

 

原作者のイアン・フレミングが子供の頃から好きだと言われているカリブの海賊“血まみれモーガン”の財宝が登場したり、フレミングの趣味であるスキューバダイビングの訓練をしたボンドがミスター・ビッグの隠れ家のサプライズ島に乗り込むことになります。

 

ミスター・ビッグは見せしめとしてボンドの左手の小指をへし折ったり、フェリックス・ライターは片手片足を失うが、最後にはボンドがセットした吸着爆雷でセカター号は木っ端みじんに吹き飛び、ミスター・ビッグは皮肉にも自分が餌付けした鮫やバラクーダ(オニカマス)に食い尽くされて死んでいく。

バラクーダ(オニカマス)の生態についてはコチラ!

参考 生きる魚雷!オニカマスの正体とは?時には人をも襲う危険なやつ!アウトドア暮らしのWebポータル「暮らし~の」

 

 

当初、フレミングは作中でフェリックス・ライターを殺すつもりだったが、アメリカの出版社からそれはやめてくれと言われて重傷を負うことで生き延びることになった。

 

「007/死ぬのは奴らだ」は、長編第1作「007/カジノ・ロワイヤル」のハードボイルタッチの世界観から世界中を飛び回る秘密情報部員を主人公とした冒険小説になっています。

 

原作小説「007/死ぬのは奴らだ」のストーリー展開は、その後のボンド映画のストーリーの雛形になっている。ボンドが上司Mに任務を命じられて調査に向かい、調査の途中で美女に出会い悪役に捕まり、悪役の計画を知る。ボンドと美女が協力して悪役を倒し、悪役の基地、隠れ家は最後に大爆発し跡形もなくなる。その後、ボンドと美女のラブシーンがあって物語は終わる。

 

 

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の映像化作品

 

原作小説「007/死ぬのは奴らだ」は、1973年にイオン・プロダクションが製作したロジャー・ムーア主演の第8作目『007/死ぬのは奴らだ』として公開されました。

映画では悪役の名前のミスター・ビッグとボンドウーマンのソリテールの名前だけ使用してストーリーは麻薬密売の物語に変更されています。

『007/死ぬのは奴らだ』のあらすじとキャスト映画『007/死ぬのは奴らだ』のあらすじとキャストは?

 

 

ロジャー・ムーア主演の第12作目『007/ユア・アイズ・オンリー』では第22章「海の恐怖」のエピソード(ソリテールと抱き合ったまま縛られ珊瑚礁の海を引きずり回される)が使われています。

『007/ユア・アイズ・オンリー』のあらすじとキャスト映画『007/ユア・アイズ・オンリー』のあらすじとキャストは?

 

 

ティモシー・ダルトン主演の第16作目『007/消されたライセンス』では第14章「この男は、何かと喧嘩して噛まれた」のエピソード(フェリックス・ライターが鮫のいる生簀に落とされて重傷を負う)と第15章「深夜の生き餌倉庫」(ボンドは深夜の生き餌倉庫に潜入し金貨を見つけて銃撃戦になる)が使われています。

『007/消されたライセンス』のあらすじとキャスト映画『007/消されたライセンス』のあらすじとキャストは?

 

 

 

007原作小説:長編第2作「007/死ぬのは奴らだ」の書籍と電子書籍

 

電子書籍版

007/死ぬのは奴らだ」(ハヤカワ・ミステリ文庫)

訳:井上 一夫

発売日:2015年1月25日

対応端末:電子書籍リーダー、Android、iPhone、iPad、デスクトップアプリ

 

 

参照:

電子書籍版

007/死ぬのは奴らだ」(ハヤカワ・ミステリ文庫)

訳:井上 一夫

 

 

 

マイク・マールのトリビュートカバー集第2弾

長編第2作「007/死ぬのは奴らだ

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記事作成日:2022/04/04

最終更新日:2022/04/22

 

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