映画『007/ムーンレイカー』のあらすじとキャストは?

『007/ムーンレイカー』のあらすじとキャスト

 

「007」映画シリーズの第11作『007/ムーンレイカー』のあらすじとキャストなどを徹底解説!

 

映画『007/ムーンレイカー』の解説・見どころ

ユナイテッド・アーティスツ創立60周年記念作品として公開される。イアン・フレミングの小説「007」シリーズ長編第3作。「007」映画シリーズ第11作でロジャー・ムーア版ボンドの主演4作品目。

ジョージ・ルーカス監督作品『スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望』(1977)やスティーブン・スピルバーグ監督作品『未知との遭遇』(1977)などのSF映画の成功による世界的なSF映画ブームのなかで製作され、007ジェームズ・ボンドが宇宙へ進出した異色作。NASAのスペースシャトルの初飛行(1981年4月12日)に先立ち、スペースシャトルが登場。アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされたSFXも話題になり、当時「007」シリーズ最大のヒット作となる。

「007」映画シリーズ第1作目『007/ドクター・ノオ』から初代M役で出演してきた俳優バーナード・リーの最後の出演作品。

 

 

映画『007/ムーンレイカー』のあらすじ

映画『007/ムーンレイカー』予告編

映画『007/ムーンレイカー』のあらすじ

アメリカからイギリスへ空輸中のスペースシャトル「ムーンレイカー」が、アラスカ上空で突如何者かによってハイジャックされるという事件が起こる。

その頃、秘密情報部員ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)は、アフリカから小型ジェットに乗ってイギリスへの帰国の途中であった。

「もう、君以外のジェットには乗れないなあ」とボンドはCAと口づけを交わしていると、突如、CAに拳銃を突きつけられ、また、ジェット機の機長も現れて格闘になる。

機長をジェット機から放り出すことに成功するが、突然現れたジョーズ(リチャード・キール)に蹴り飛ばされパラシュートをつけないまま、ボンドは空中に放り出されてしまう。

ボンドは空中で機長からパラシュートを奪い取るが、後を追ってきたジョーズと空中で格闘となる。ジョーズより先にパラシュートを開いたボンドは無事に地上へ降りていくが、パラシュートが壊れていたジョーズはサーカスのテントに激突してしまう。

 

行方不明となったスペースシャトル「ムーンレイカー」の捜査を委任された英国秘密情報部MI6では、早速ジェームズ・ボンドを任務に当てた。上司M(バーナード・リー)の話から独自の力で米国西部に宇宙センターを築き、NASAに協力してスペースシャトル「ムーンレイカー」を開発・製造してきた謎の億万長者ヒューゴ・ドラックスを訪ねるべくカリフォルニアへ向かうよう指示される。

Q(デズモンド・ルウェリン)から今回の任務のために手首の筋肉でダーツを発射できる装備を支給される。ダーツは全部で10本あり、青い矢は、装甲をも破壊できる弾薬の矢で、赤い矢は30秒で人を殺せる毒矢になっていた。

 

ボンドを出迎えたドラックスの秘書コリン・ダフォー(コリンヌ・クレリー)の操縦するヘリコプターでヒューゴ・ドラックスの施設を空から案内される。その後、ヒューゴ・ドラックスのフランスで購入し空輸してきた巨大な屋敷に降り立ったボンドの前に、不気味なカリスマ的雰囲気を漂わせるヒューゴ・ドラックス(マイケル・ロンズデール)が姿を現した。ホリー・グッドヘッド博士にセンター内を案内してもらうとよいと言ってボンドと別れるが、手下の東洋人チャン(トシロー・スガ)に「無事に帰すな」と命令するのであった。

ボンドは、NASAの協力員として研究に従事する女性科学者ホリー・グッドヘッド博士(ロイス・チャイルズ)と出会い、センターを案内される。グッドヘッド博士に研究施設内にある重力を体験できる遠心力訓練機に乗ってみないかと誘われ訓練機に乗り込むボンド。

訓練機の操縦室に現れた手下のチャンが、操縦室の操縦士に代わり訓練機を動かし始め、普通の人間では耐えられないほどに回転速度を上げていく。意識が薄れていくなかでボンドはダーツガンを使って訓練機を破壊して命を取り留める。

その夜、ボンドはドラックスの書斎に侵入し、秘書のコリン・ダフォーから金庫の場所を聞き出し事件のカギと見られる設計図の撮影に成功する。しかし、その様子を手下のチャンが物陰から監視していた。翌朝、ドラックスは秘書のコリン・ダフォーの裏切りをチャンから知らされ、ドラックスが飼っている2匹のドーベルマンに彼女は襲われる。

 

マイクロフィルムに写っていたガラス工房を頼りにベニスへ飛んだボンドは、ガラス工房のヴェニーニ工房を見学し同じくベニスに来ていたグッドヘッド博士と偶然出会う。ゴンドラに乗ったボンドをドラックスの指示を受けた殺し屋が襲ってくるが、ゴンドラからホバークラフトに変形し地上を走行して危機を逃げ切るのであった。

その夜、ボンドはホテルでグッドヘッド博士と出会うが、彼女が装備している秘密兵器から実はCIAエージェントであることを見破る。

ボンドは、ガラス工房の奥に秘密の研究所があるのを発見し、そこで薬品のサンプルを見つける。薬品を運んでいた科学者が誤って薬品サンプルを落として割ってしまうと、その薬品によって科学者はふたりとも死んでしまう。だが、そばで飼っていたモルモットのねずみに異常は現れなかった。

研究施設から逃げ出したボンドは、剣道の防具に身を包んだ謎の男に突如襲われる。ガラス工房のなかで激しい闘いが行われるが、その男はドラックスの手下チャンであった。チャンと闘っているうちにボンドはガラス工房のなかでドラックス航空貨物がリオデジャネイロの輸入会社C&Wに荷物を運び込んでいることを知る。

ロンドンから急行してきたMとグレイ国防大臣(ジェフリー・キーン)らとともに秘密の研究所の現場検証をするが、すでに研究所は跡形もなく無くなっていた。その場にいたドラックスに不審がられてしまう。ボンドはMに薬品のサンプルを渡してQに分析してもらうように頼み、Mからは2週間の休暇を取るように命令される。ボンドはリオデジャネイロへ向った。ドラックスは、殺された手下のチャンの代わりに新しい殺し屋にジョーズを選び、ボンドの後を追わせるのであった。

 

リオデジャネイロに到着したボンドは、現地のアシスタントのマニュエラ(エミリー・ボルトン)の案内で輸出入会社C&Wに忍び込むが荷物はもう無くなっていた。翌日、ボンドは集積地の監視のためにリオデジャネイロを見下ろす展望台に行く。そこでドラックスが所有する航空会社の飛行機が2時間おきに飛行しているのをグッドヘッド博士から知らされる。ボンドらはケーブルカーで下山する途中、殺し屋ジョーズに襲われる。

二人はジョーズの襲撃を交わして下山するが、ドラックスの手下らに捕まってしまう。ボンドは逃げ切るがグッドヘッド博士は連れ去られてしまう。ジョーズは、ボンドの暗殺に失敗し、ケーブルカーは大破するが大きなメガネをかけた金髪の若い女性ドリー(ブランシュ・ラヴェレック)に助けられ、運命的な出会いをした二人はその場で恋に落ちるのであった。

ボンドは、ベニスのガラス工房で手に入れて薬品サンプルの解析結果をQから知らされる。その薬品は、アマゾン上流の奥地で採れる希少な蘭(オーキディア・ネグラ)から抽出された即効性のある特殊神経ガスで人間だけに死をもたらすように改変されたものだった。

 

ボンドはアマゾン奥地へ向かう途中で、殺し屋ジョーズらにまた襲撃される。ボンドは滝壺へ落ちる寸前に高速ボートに装備してあったハンググライダーで危機を脱するのであった。

 

ジャングルの奥地にたどり着いたボンドの前に美女が現れて彼を巨大な古代遺跡へと案内した。

その巨大な古代遺跡の地下にあったのはヒューゴ・ドラックスの秘密基地であった。ドラックスは、動植物を残して全人類を特殊神経ガスで抹殺し、選ばれた新人類によって新たな帝国を築こうと計画していた。ドラックスは新人類となる選ばれた男女を乗せてシャトルで宇宙ステーションへ向けて飛び立ちます。ボンドは、捕まっていたグッドヘッド博士と一緒にドラックスの後を追って6号機を奪い宇宙へ飛び立つ。

 

ドラックスは、宇宙ステーションに到着すると全人類抹殺計画(オーキディア計画)を実行に移し、特殊神経ガスが積まれた50個の球体ポッドを地球へ向けて発射します。宇宙ステーションに到着したボンドらは、宇宙ステーションの位置を米軍に知らせるために電波妨害装置を破壊。電波妨害装置が破壊され宇宙ステーションの位置を確認した米海兵隊は、米空軍とともに宇宙ステーションへ向けてシャトルを発射します。米海兵隊らが宇宙ステーションに到着するとドラックスの部下たちと激しい戦闘が始まる。

ボンドはドラックスと対決し赤い毒矢のダーツで彼を倒し、ドラックスを宇宙空間へ放り出すのであった。米海兵隊らは崩壊する宇宙ステーションから急ぎ離脱し地球へ帰還。ボンドとグッドヘッド博士は地球へ向けて発射された50個のうちの3個の球体ポッドを破壊するためにレーザービームが搭載された5号機に乗り込む。宇宙ステーションから離脱しようとするが、ステーションが破壊されて離脱できない状態であった。ボンドはジョーズに宇宙ステーションからの離脱を手伝ってもらい急ぎに球体ポッドの後を追うのであった。

破壊され尽くした宇宙ステーションに残った殺し屋ジョーズとドリーはそばに残されていたシャンパンを開け、「僕らの恋に乾杯!」とふたりでシャンパンを飲んでいると、ふたりの乗った緊急用ポッドは切り離され宇宙空間に飲み込まれていった。

そして、ボンドとグッドヘッド博士は、地球へ向けて発射された特殊神経ガスの球体ポッドを次々とレーザー砲で破壊し、人類絶滅の危機を救うのであった。また、米軍の管制室ではジョーズとドリーのふたりが無事に救助されたと報告される。

 

任務が終わり、無重力空間のシャトルの中で抱き合うふたり。

ボンド「そろそろ帰る時間ですよ」

グッドヘッド博士「ジェームズ、あともう1周回らない?」

ボンド「2周でも良いですよ」

 

ふたりを乗せたムーンレイカーは、一路地球へと向かうのであった。

 

 

映画『007/ムーンレイカー』作品情報(スタッフ・キャスト)

原題:Moonraker

製作年:1979年

製作国:イギリス/アメリカ合衆国

製作会社

イオン・プロダクション

配給:ユナイテッド・アーティスツ

日本公開日:1979年12月8日(土)

上映時間:126分

 

【 スタッフ 】

製作:アルバート・R・ブロッコリ

【ボンド映画製作11作目】

「007」シリーズを成功に導いたプロデューサー、アルバート・”カビー”・ブロッコリの生涯「007」シリーズを成功に導いたプロデューサー、アルバート・”カビー”・ブロッコリの生涯

製作総指揮:マイケル・G・ウィルソン

監督:ルイス・ギルバート

原作:イアン・フレミング「007/ムーンレイカー」

007原作小説:長編第3作「007/ムーンレイカー」の登場人物、あらすじは?007原作小説:長編第3作「007/ムーンレイカー」の登場人物、あらすじは?

脚本:クリストファー・ウッド

音楽:ジョン・バリー

テーマ曲:モンティ・ノーマン「ジェームズ・ボンドのテーマ」

主題歌:シャーリー・バッシー「ムーンレイカー」

撮影:ジャン・トゥルニエ

編集:ジョン・グレン

プロダクション・デザイン:ケン・アダムス

特殊効果:デレク・メディングス

メインタイトル・デザイン:モーリス・ビンダー

 

【 キャスト 】

ロジャー・ムーア:ジェームズ・ボンド

任務遂行中の殺人が認められているイギリス政府公認の殺人許可書”殺しのライセンス”を持つイギリス情報局秘密情報部(MI6)00課に所属するエージェント。コードネームは”007”。普段は、MI6のダミー会社であるユニバーサル貿易の社員。

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ロイス・チャイルズ:ホリー・グッドヘッド博士

天体物理学としてヒューゴ・ドラックスのセンターに勤務しているが、実はCIAエージェント。

 

マイケル・ロンズデール:サー・ヒューゴ・ドラックス

本作の悪役。全人類を毒ガスで抹殺し、優秀な男女と動物をつがいで宇宙ステーションに連れていき、新世界を作ろうと画策する。

マイケル・ロンズデール氏死去『007ムーンレイカー』マイケル・ロンズデールさん死去【『007/ムーンレイカー』】悪役ヒューゴ・ドラックス

 

リチャード・キール:ジョーズ

前作『007/私を愛したスパイ』でストロンバーグに雇われていた鋼鉄の歯を持つ大男。ストロンバーグの死後、ドラックスに雇われるが金髪の美女ドリーと恋に落ちて、最後はボンドの味方となる。

 

ブランシュ・ラヴェレック:ドリー

金髪でメガネの美女。殺し屋ジョーズと恋に落ちる。

 

コリンヌ・クレリー:コリン・ダフォー

ヒューゴ・ドラックスの秘書。

 

ジェフリー・キーン:フレデリック・グレイ

国防大臣。

 

ウォルター・ゴテル:アナトール・ゴーゴル将軍

ソ連のKGB長官。

 

トシロー・スガ:チャン

サー・ヒューゴ・ドラックスの手下。ボンドを殺すためにつけ狙うが、ベニスのガラス工房で反対に倒される。

 

エミリー・ボルトン:マニュエラ

リオデジャネイロの現地アシスタント。

 

バーナード・リー:M

イギリス情報局秘密情報部(MI6)の局長。

 

デズモンド・ルウェリン:Q

イギリス情報局秘密情報部特務装備開発課(Q課)の責任者。QはQuartermaster(需品担当将校)の略称。彼の発明品をすぐに壊すボンドに少し呆れている。

 

ロイス・マクスウェル:ミス・マネーペニー

イギリス情報局秘密情報部(MI6)の局長Mの秘書。

 

 

映画『007/ムーンレイカー』トリビア

◎映画『007/ムーンレイカー』の製作費は3000万ドルで、「007」シリーズの最初の8作品の製作費を合わせたものとほぼ同額です。

 

◎ボンドとジョーズ、パイロットが飛行機から落下するシーンは、俳優とカメラマンが飛行機を飛び降りてから所定の位置に来るまでの時間を考慮すると、ジャンプごとに数秒のカットしか撮影出来ず、シーン全体で2分の映像を撮影するために、88回のジャンプと5週間の撮影期間が必要だった。

 

◎フランスでの腎臓結石の治療のために、ロジャー・ムーアはブラジル・リオデジャネイロでの撮影が数日遅れました。ムーアはまた、『007 /死ぬのは奴らだ』(1973)の撮影中にも腎臓結石を起こしていました。彼がリオデジャネイロに到着すると、彼は文字通り飛行機を降りて、急いでメイクアップし再び飛行機に戻り、『007/ムーンレイカー』のジェームズ・ボンドとしてリオデジャネイロに到着したシーンを急いで撮影しました。

 

◎プロデューサーのアルバート・R・ブロッコリは、モーリス・ビンダーの製作するメインタイトル・デザインは『007 /ドクター・ノオ』(1962)の全製作費よりも高額であると不満を述べました。

 

◎「Moonraker」には、2つの辞書定義があります。ひとつは、船の最高帆であるムーンセールと同義語です。ふたつめは、密輸業者が密輸品を隠そうとし、「水面に写った月(ムーン)を熊手で掻き集めよう(レイカー)という馬鹿な真似をしたイギリスのウィルトシャー州の人」、または、馬鹿者、阿呆者を表すイギリス英語の古典的隠喩、民話からの用語でもあります。これは、ドラックスの極端な野心を持つ男を指すために使用されました。

 

 

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記事作成日:2020/07/01

最終更新日:2022/04/27

 

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